フレイル予防
人は年を取ると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。
このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)と呼びます。都民の皆さんが健康で長寿を目指すため、東京都医師会は行政や関係団体と連携してフレイル対策に取り組んでいます。
1、「フレイル」とは?
「加齢に伴う予備能力低下のため,ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語です。
フレイルは,要介護状態に至る前段階として位置づけられますが,身体的な低下だけでなく、精神心理面や社会面などの問題を抱えやすく,自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味します。
出展:高齢者のフレイル予防事業 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
●厚生労働省:無料配布パンフレット 日本語版[1,527KB] (mhlw.go.jp)
●厚生労働省:無料動画 普及啓発用動画[27,239KB]
2、最近、このようなことはありませんか?

<3つのフレイル>
フレイルは身体の虚弱だけではなく、社会と関わることが少なくなることや心の問題と関連します。

<フレイルの段階と日常生活自立の状態>
加齢に伴って体の衰えが進みます。そのままの生活であれば、身の回りの事が自分でできなくなり、やがて寝たきりになります。少し見守りが必要な「フレイル」の段階から早期に適切な予防(フレイルケア)を行うと病気があっても自立した生活「プレフレイル」の状態に戻すことは可能です。
※「健好快寿🄬」とは、
健康が好きになり、快適に寿命を全うできることをイメージした、当会オリジナルの商標です。

3、メタボ予防からフレイル予防にギアチェンジ
65歳以上では、病気ではないのに痩せてくるとフレイルになる危険性が高くなります。
BMIは22㎏/㎡以上になるよう、それまでのメタボリック症候群の予防からフレイル予防に切り替えましょう。
<セルフチェック1>
身長と体重から、ご自分の体格をチェックしてみましょう。
(例)身長166㎝、体重56㎏の方は青い星マークになります。
BMI:21.5㎏/㎡未満は要注意です。

<セルフチェック2>
あなたの状態をチェックしてみましょう。
質問の答えが左側(青)になるよう、定期的にチェックしてみましょう。

<セルフチェック3>
「指輪っかテスト」で、あなたの筋肉の状態をみてみましょう。
まず、ふくらはぎの一番太いところを、両手の人差し指と親指でつかんでみてください。
掴んでいる指輪っかとふくらはぎに隙間ができるとフレイルの兆候です。

4、フレイル予防は「気づき」が大切!
社会とのつながりが少なくなると、家に閉じこもる事が多くなります。やがて人との関わりも少なくなり、一人での生活が増え、心の問題もみられるようになってきます。
話すことも少なくなり、口腔機能の低下など、お口の問題もでて、偏った食事になると栄養バランスも崩れ、やがて体に支障をきたします。
このような1つの事から次々と問題が起きてくる流れが、いわゆる「フレイルドミノ」です。
ご自身の身体やこころ、日常生活の変化を早めに気づき、ドミノが倒れないよう止めることが重要です。
もし栄養のドミノが倒れていたら、お口を改善すると栄養が十分に摂れ身体も元気になります。また、心のドミノまで倒れているなら、身体はまだ健康なので気分転換に散歩にでるなどすると、倒れたドミノは元に戻ります。
フレイル予防は何よりもご自身の「気づき」が大切です。
